倉庫、或は倉庫棟(別棟倉庫)というと、狭義の解釈では『有形の物品を保存・収納するための建造物』、ということになります。
ですが、住宅に付随する倉庫となれば、広義の解釈として趣味の空間ということも、当然当てはまります。
なぜなら倉庫は、収納するものを『整理し、仕分けし、並べ、眺める。』、という趣味の空間にまで昇華させられるものと考えるからです。
コレクターにとっては、しまうこと、収納すること、それ自体が楽しいこととなるのですから。
今回はまず『その1』ということで、外装の着手前から完了についての、概要としてお話しさせて頂きます。
倉庫となれば、収納前に仮置きをする等の手順が、当然発生致します。(これは荷捌き作業ではなく、あくまでも事前の準備ということになりますので、庇下は屋外的用途ということに該当します。)
そこで庇の出の長さが重要になってきます。なぜなら物品を雨で濡らすことなく収納することが必要となるからです。
出を大きくすることは、当然お施主様よりのご要望事項に、上位として挙げられる部分となります。
増築(床面積増)とならぬよう、既存の庇の面積と変更無しとするため、必要な部分のみの出を大きくするという設計とさせて頂きました。
この庇が、建物前面の空間を広げることになるのです。
如何でしょう?
庇下からのアッパーライトによる間接照明が、建物前の空間をも包絡し取り込み、建物の一部としての広がりに一役買っていますね。
引き続き❝その2❞をご覧頂きたいと存じます。
ではまた。
TOZO 永井敏