建築設計を生業とするものにとって、どなたでも憧れの建築家があると思います。私も何人か、その方のデザインや考え方に深く感銘し、尊敬、憧れる方がおります。
その中のひとりに、槇 文彦氏がおられます。
この方の「岩崎美術館」に魅せられ、建築を志したといってもいいくらいです。
20代の前半、アトリエ系の設計事務所に勤めれば、いつか設計事務所の大先生になれると、大間違いしていた時代(お恥ずかしい。)に、会社が地元横浜でしたので、打ち合わせの合間に(ほんとはサボりですが。)、よく槇氏の設計された「横浜市立川和中学校」を見に行きました。
その頃は学校であっても、放課後ならば建物の中に入れてもらえ、撮影も許されました。先生方も著名な建築家が設計した建物だ、と認識されていたからだと思います。
そのころそのときは、その空間に自分がいるだけで、癒されました。
上司からキツイことを言われると、何度もこの学校の誰もいない談話ホールの丸い椅子に座り、悔し泣きをした思い出がよみがえります。(帰りの電車では、さっぱりしてましたが。長くクヨクヨで出来ない性格。)
新潟の方なら、どなたでもご存知「朱鷺メッセ」も、槇氏の設計です。
行かれる機会は多いと思いますが、ぜひ、建物のディテール・デザインを楽しむ目線で、空間を味わってみては如何でしょうか?
TOZO S