意味もなく、ツトメテ、おとなしく過ごした数日。
焦燥も激高もなく、さりとて高揚もなく、ただ漫然と時間が流れる。
その歩幅にシンクロするのはこの詩。
浜省は聴かないけれど(悪いがブサイクだし。)、この曲のカバーは昔から知っている。
拓郎では?というひとには、こう答えよう。
こっちのが、譜割りがカッコイイから。
明日は、現地調査。
重たい荷物はもう放り出して、身軽に晴れやかに行こう。
なぜって?
「智に働けば角が立つ。情に棹せば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい。」おもわず漱石の『草枕』冒頭が口に出る。
冒頭からラストまで一気に記憶が巡る。
この文章を書きながら、
好きな漱石の『草枕』の、
ラストに主人公の胸中の絵画が完成する様、
これが自分の脳裏にも、ひとしく絵画的に思い浮かんだから。
ひとの幸せは、自分のこころも幸せな心もちへと置き換えてくれる。
ここ数日の漫然と流れる時間のおかげかな。
ほんの小さな、長いようで短かった自分の短編小説。
これで完結としよう。
あ、今、無数の点がつながって、線になったよ。
TOZO 永井敏