小説『1984』

『1984』は、イギリスの作家ジョージ・オーウェルの小説ですね。私はこの小説を読んではいませんが、映画化されたものをかなり昔に観ました。

あらすじは、核戦争後の世界・・・

三つの国に分かれた世界。愚かなことにまだ戦争を続けていました。それも軍事政権のもと、思想・言語・恋愛などあらゆる市民生活に統制が加えられ、物資は欠乏、屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視されている世界。

そんな中、主人公の男性は恋愛をし、そしてそのことを密告されてしますのです。

終わりはとても悲しく、処刑(銃殺)される日を思いながら、当局を愛するように、拷問と尋問を繰り返され思想操作されていくという、かなり悲惨な終わり方です。(アメリカで公開された映画では、主人公は当局に屈しないで終わります。これについてオーウェルの遺族が、公開差し止めを求めたそうです。)

思想の統制は最も許されない政治行為です。オーウェルの遺族は、その恐ろしさをそのまま描いて欲しかったに違いありません。間違った世界にならない警鐘のために。

とまれ、

今、ある国で軍事クーデターが起きています。そして民主化のリーダーが拘束されました。

今このとき、世界はひとつになって、地球規模の災いを乗り切らなければならない状況の中、このどさくさに・・・。本当に悲しいことです。

曲はユーリズミックスの、『1984』のテーマです。(でもたしか理由があって、なぜか映画のなかでは使われなかったと記憶しています。)

タイトルは「Sex Crime」。性犯罪という意味ですね。自由恋愛が罪になるという、悲惨な歌です。

曲中の印象的な一節に、❝How I wish I’d been unborn wish I was unliving here.❞ とあります。

❝私はどんなに願うことか、生まれてこなければよかったと。❞ 主人公への拷問と尋問、自由を奪われるさなかでの、主人公自身の叫び声ですね。

前述のある国が、一刻も早く民主化のリーダーを自由にし、世界と一つになって、この厄災と闘う広い視野を持てることを・・・、願わんばかりです。

TOZO 永井敏


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