出勤途中の交差点で信号待ち。 ふと、左の歩道に目が行きました 。
大雨の中、ずぶ濡れで男の子が泣いています。小学校低学年くらいの。学校は休校のはずなのに。
クラクションを後ろから鳴らされながらも、車を左に寄せ、3密も忘れて尋ねました。
「どうしたの?」
「お母さんに頼まれて、おばちゃんに届ける紙・・・ない。おとしたかも。叱られる。」
彼をこのままには出来ないし、かといって一緒に探すこともどうかと思い、車に戻り傘を後部座席から出して、柄の部分だけアルコールのウェットティッシュで拭いて、彼に渡しました。
「大丈夫。ちゃんと話したら、お母さん怒らないよ。」
「角を右に曲がればすぐに交番があるから行きなさい。」
彼はうなずきました。「ありがとう。」ちゃんと言えるいい子です。
それから、先回りして交番に行き、ことの次第を話すと、巡査長はすぐに彼のもとへ。
とって返してみると、おまわりさんとあの子が話しています。二人で探すのかな?またはお母さんの連絡先を聞いて電話するのかな?
コロナ禍と、コンプライアンスの少々過剰な世の中。私のとった行為は、適切だったのかなと思いなが、会社に着き、パソコンの電源を入れました。
大丈夫、見つからなくても。君がずっとそこにいて、風邪をひかない方が大事だよ。と、自分にいい聞かせて仕事を始めた、月曜日の朝でした。
(すごく大事な書類だったらどうしよう。でも子供にそんな大事なもの、預けませんよね。)
TOZO 永井敏