ドラマ、映画などで、固有の名前を持つ者と、持たない者がありますね。
ネームド(named):固有名詞有り/モブ(mob):固有名詞無し。
もの造り、特に建築の世界のなかではどうでしょうか?
設計者がいて、施工者がいる。またのそ施工者の中でも協力業者様の代表、そして実際に現場で手を動かす職方の皆様がいる。或は資材を調達・運搬する商社の方々。解体、産業廃棄物を運搬・処理して下さる方々がいる。
これは私見ですが、全てがネームド(named)だと私は思っています。
確かに設計者はお施主様のご希望に沿った建物を提案し、その作業の流れのなかでは上流に位置します。あくまで上位ではなく上流、その建物の本質を突き、寸法や形、法規、色彩、デザイン、通風、雨仕舞…挙げれば限りがありませんが、それを具現化するための『作戦図』を示す必要があります。
そう考えればこれも私見ですが、設計者は限りなくモブ(mob)よりな、ネームド(named)でなければならない立場であると考えています。
当然、設計の監理の部分では、現場を視て変更の決断を、早急に迫られる場面に遭遇したりします。
先読み、舵取りを担う設計者が現場の進捗のなかで、些細な油断が大きな手直しに繋がるリスクは、あってはならぬことと解りながらも、実際に起こることは想定しておかなければなりません。(リスクヘッジとして、そのポイントは図示せずも、リストとしてまとめておきますが。)
とすれば、設計者とは、限りなくモブ(mob)よりなネームド(named)であるべきと考えます。
なぜならこの考え方を穿き違えると、計画フローのなかで上流である本質が、完了時に『カタチ』として正確に具現化されないと、私は思うからです。
まあ、油断大敵。
設計者にはそれだけの責務がありますが、施工者の皆様他の理解と協力なくしては、だだの絵描きで終わりますからね。
TOZO 永井敏
*この曲、前にも載せましたね。消されたので再UPです。(字幕ONがおすすめです。)