劇場公開日 2023年10月27日のフィンランドの映画です。
タイトルは『SISU』ですが、『不死身の男』とサブタイトルが付けられています。
1944年第二次世界大戦末期、ソ連に侵攻され、敗走するナチス・ドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。凍てつく荒野を旅する老兵アアタミ・コルピ(彼がSISUです。)が、金鉱夫をしている場面から物語は始まります。
掘り当てた金を運びに、フィンランドの街に戻る途中、敗走ナチス・ドイツ兵に金を奪われそうになり、幾度も殺されかけます。
ところがこの主人公、どれだけ痛めつけられ致命傷を負っても立ち上がるのです。そこがサブタイトルの『不死身の男』となった所以でしょう。
しかし、不死身の人間などいる訳は無く、その意味は物語中盤に分かります。
ネタバレになりますが、
ナチス・ドイツ兵に捕らえられた女性から、彼の素性の説明があります。
『彼は不死身じゃない。死のうと思い至らないだけ。』
『肝心なのは、強いかどうかではない。』
『彼はあきらめない。絶対に。』それだけ。
(SISUを演じる役者はヨルマ・トンミラ、65才です。CGではない彼の動きは凄まじいものがあります。)
なぜ今この映画の、この、SISUの姿勢をここに書いているその理由。
それは、『あきらめない。絶対に。』にの言葉に、今の私の心の奥の奥、秘めた思いが重なるからです。
付け足すなら、『目的のためならあきらめない。絶対に。』ということでしょうか。
私は社長ではありませんが、経営者側として進むべき舵取りを迫られる立場にあります。会社として出来ることは出来て当たり前。その先の先にある、辿り着きたい目標に向かって、出来ないとなど微塵も思わず進み、先陣を切り、皆を奮い立たせる立場にあります。
人の生涯は短い。だからこそ目標はひとつだけに絞る。
そして、それに付随するものの中から、必要なものは残り、不要なものは消えていくでしょう。それらには何ら未練も執着もありません。
私に必要なものは自然と残り、あとは消えていくでしょう。多くは望みません。
『藤蔵』が、皆様から信頼され続ける会社であること。
『その心もちと信念を貫く、ゆるがない1本の軸の置き場と覚悟を。』
そうです。口数の少ない『SISU』爺さんから伝えられた私は、
これのみを私の信念として貫き通す覚悟を、
自問自答のなかで選んだのです。
TOZO 永井敏