動揺「ちょうちょう」。あまりに有名なこの唱歌。
ドイツの古い童謡「Hänschen klein」ということを知っている方は少ないでしょう。
ドイツ映画の『戦争のはらわた』(原題: Cross of Iron)のオープニングに使われています。
この映画は、ヒトラーとナチスをドイツ国民が自ら選び、侵略戦争と民族迫害へと進んでいったことを、ドイツ側の視点から見た反戦映画です。
エンデングはベルトルト・ブレヒトの有名な言葉で締めくくられます。
「諸君、あの男の敗北を喜ぶな。世界は立ち上がり、奴を阻止した。」
「だが、奴を生んだ雌犬が、また発情している。」
独裁者は倒されても、
それを選んだ多くの国民の不幸も、それで終わりではない。
次の戦争のきっかけは、どこにだってあることを指しています。
とまれ。
そこで昨年2月に書いた文章につながります。
ウクライナ侵攻に当てはめれば、明日にだって世界大戦になることは在りうるのです。
第三次世界大戦になれば、あらゆる大量破壊兵器が使われることでしょう。
そしてもし、第四次世界大戦がその先にあるとすれば、
そのときの武器はこん棒と石となるでしょう。
人間はそれほどまでに愚かではないことを切に願っています。
動揺「ちょうちょう」は世界中で歌われています。
歌詞は各国様々ですが、すべて慈愛に満ちた平和な歌詞です。
言語は違っても、メロディーは世界中、みんな同じなのです。
解りあえないことはないと、動揺「ちょうちょう」は言っています。
TOZO 永井敏
*前述のオープニングのそれには、動揺「ちょうちょう」に、独裁者の不敵な笑みと、それを盲目的に信じる子供、殺戮と憎しみ、捕虜となったドイツ兵の「なぜこうなった?」の表情、それらが幾重にもちりばめられています。
*この映画を最初に視たときに感じた感覚と、いま歳を重ねてから感じる感覚には、正直差異があります。